『空の境界』の驚きは、小規模なロードショーを行うだけでOVAタイプの作品が各巻10万本売れるという事実である。つまり、テレビ放映がなくても、十分な宣伝効果は可能でテレビシリーズを大きく上回る映像パッケージの売上が実現出来るという発見である。
実はこうした現象は、『空の境界』だけに限ったものではない。『空の境界』は劇場興行と映像パッケージのギャップが大きかったことから注目をされたが、同じ様な現象は劇場版『機動戦士Zガンダム‐星を継ぐ者‐』(2005)、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』(2007)、『時をかける少女』(2008)で既に用意されていた。
事前の予想を上回る映画興行、そのなかで醸し出されるお祭り感、一体感、そしてヒット作=面白い作品という期待である。こうした作品はお祭りの着地点として、映像パッケージが設けられた。通常DVDやBDを買うのは作品映像を買う側面と、パッケージに付属する特典を購入する側面がある。しかし、ここではお祭りに参加した証として、最終的な確認のための映像パッケージの存在が垣間見える。